出雲大社の門前町「神門通り」には盆が明けても連日多くのお客様にお越し頂いております。
そんな慌ただしい中、涙腺が緩むうれしいお話を聞きましたのでご紹介させて下さい。
ただし、私が直接見ていないので事実と少し違うかもしれません。それは、8月15日のお昼の事です。
お盆の最中の神門通りは、人の波と、大鳥居から勢溜へ向かう長蛇の車の列が出来ていたそうです。
そして、竹野屋旅館から勢溜までは結構きつい勾配の坂、そこに1台の大型バスが何らかのトラブルで
立ち往生、道行く観光客もその異変にすぐ気が付き、多くの人が心配そうにバスを取り囲む、どうやら
エンストらしい、年配のドライバーも流石にこの場所でこのタイミング動揺は隠せない、2分もたったころか
取り囲んでいた人垣の中から30代と思われる女性が、「押してあげましょうよ」と声を発したそうです。それに
「そうしよう」という賛同の声が上がる。しかし、なにせ急勾配の上大型バス、「あぶないよ」の声もかかる。
時間は一体どれだけたつたかと思うほど緊迫した状況に達したとき、みんなの思いが通じたのかバスは
発車したそうです。その瞬間一斉に拍手がわいたそうです。おそらくその拍手は、ドライバーに対して
だけではなく、最初に声を発した女性の勇気に、また、危険を察知して冷静な言葉を掛けた人に、そして
そこに集まり一心に心配した人々への拍手だったでしょう。その光景を見て涙ぐんでいた人もいたそうです。